ホールトーン
弓の持ち方を変えて10日経ちました。
数日前に木越先生にチェックして頂きましたが、使い方は大丈夫のようです。
私は音が変わったことを「音が肉厚になった」と捉えていましたが、それは間違いだと指摘されました。
弓の持ち方を変える目的は脱力。
指先、手のひら、手首、腕、肩、首。ここまで力を抜く事が出来ると耳が開く。
耳が開くとホールトーンが聴こえてくる。これが最終的な目標です。
ホールトーンとは?
私が聴いていた肉厚な音は楽器から直接聴こえてくる音のことで、それではなく、ホールトーンは部屋の中に響いている音の事で、こっちを聴いて演奏するのだということなのです。
先日、大成功裡に終了した木越先生のバッハ無伴奏全曲演奏会は、ホテルレオパレス博多のイベントホールで行われました。ここの天井に先生が目を付けた秘密がありました。
天井は松花堂弁当のように升目で仕切られ、さらにその中に行灯のような照明があり、その行灯も窓が開いていて、こういう場所が居場所となって音が溜まるんだそうです。
これがホールトーン。
木越先生は演奏しながら自分から離れた場所に音が溜まってるのが分かるんだとか。
確かに、このホールは木の音楽専用ホールとは違うタイプの響きですが、なんとも不思議に音が伸びる。一番後ろで聴いていても、部屋全体を包み込むような響きがしていると同時に、目の前で弾いているようなリアルな表情も聴こえます。
実際に、第1番のプレリュードのような曲では先生はほぼ弾いてないに等しいくらい、幽かに弾いておられるのですが、圧倒的感動的に伝わって来ました。
ホールトーン。。。
身につけたいものですが、これは難易度が高い。
ホールトーン獲得ににじり寄る様子が、今後ブログに散見されることになるでしょう。